ほんとは怖いペアローン!?
みなさんペアローンは知っていますか?
文字通り、「ペア」のローンなので夫婦で収入を合算して、住宅ローンを組む事です。
借入金額を夫婦の収入で考えてくれるので、理想のマイホームを購入することが出来る良い商品だと思いませんか?
今回はそんなペアローンについて深掘りしていきたいと思います。
住宅ローンとは?
まず、ペアローンを深掘りする前に基本的な住宅ローンから解説していきます。
●住宅ローンとは
住宅の購入・新築・リフォーム等の資金を借りる為の長期ローンの事です。長期ローンなので毎月の返済が発生し、利息も発生します。
期間としては、10年~35年が多いですが、商品によっては40年や60年借りれる商品もあります。
基本的には、現在の収入・勤続年数・勤務先等で決まります。
特徴としては、期間が長ければ毎月の支払額を減らすことができ、期間が短ければ毎月の支払額は増えます。また、期間が長いと総額支払いが増えます。
金利の種類
●固定金利
●変動金利
●期間固定金利
この3種類が基本となります。
固定金利
借入当初から最後の返済まで支払金額を一定にすることが出来ます。
特徴
金利が高い・毎月の支払いが一定なので長期的な計画が立てやすい・金利上昇の心配がなく安心
変動金利
半年に1回の金利状況によって毎月の支払額が変動します。
特徴
金利が低く毎月の支払額を抑える事ができる・金利が上昇した場合、支払が難しくなる場合がある
期間固定金利
最初の3年・5年・10年だけ金利を固定し、その後は変動金利か再度固定金利か選ぶことが出来ます。
特徴
最初に選んだ期間は金利が低いが、再度選択する際に金利が高くなる、借入期間が短い人におススメ
審査の基準ポイント
住宅ローンを借りる際は、必ず審査があります。その審査のポイントは
①年収
②勤続年数
③現在の借り入れ状況(カーローン等)
④返済比率
⑤物件の担保評価
⑥信用情報
この6つがポイントになります。
①年収
当たり前のことですが、毎月の収入から毎月の支払いをするので現在の年収(収入)が大事になってきます。
②勤続年数
最低でも1年以上の勤務が必要となります。その為、転職したばかりの場合は住宅ローンを組む事が難しくなるので、マイホームを検討している人は転職前に検討しましょう。
③現在の借り入れ状況
住宅ローンは毎月の支払いが発生する為、現在カーローン等の支払いがある場合には、マイナスポイントとなります。
④返済比率
聞きなれない単語ですが、保証会社は年収・現在の借り入れ状況・住宅ローン総額を踏まえて返済することが出来るかを割合(%)で決めています。大体30%前後です。
⑤物件の担保評価
住宅ローンは有担保ローンになるので、購入する不動産を担保として抵当権を設定します。(万が一があった場合、不動産を売却してお金を回収すること)
その為、違法物件の場合、不動産を売却してお金を回収する事が出来なる場合があると困るので、きちんと評価します。
⑥信用情報
世間ではブラックリストと認識されていますが、半分正解で半分間違いです。
正確には、今までの支払い(分割のもの)やクレジットカード等の支払い状況が記録されています。他にも、過去に自己破産をしていないか?延滞していないか等を調べます。
過去に数回延滞があるだけで審査に影響することもあります。
団体信用生命保険
だんしんというワードでは認知されていると思いますが、正確には「団体信用生命保険」と言います。この制度は、債務者が死亡した場合等に住宅ローン残債が無くなるといった制度です。※ガンや特定疾病もあります
名前に含まれている通り「生命保険」なので、健康な人というのが条件になります。
過去に脳の病気・心疾患・ガン等に患っていた場合や現在何かしらの疾病がある場合は加入することが出来ません。=住宅ローンを組むことが出来ないとなります。
ここまでが住宅ローンの基礎知識となりますが、ここからはやっと本題のペアローンについて触れていきます。
ペアローンについて
ここからは具体例を基に解説していきます
夫 30歳 妻 30歳
年収 400万円 年収 320万円
勤続年数 7年 勤続年数 5年
カーローン 毎月2万円 カーローン 無し
子ども3歳
まず、夫のみのパターンで考えます
●借入額 3000万円(戸建) ●金利1% ●借入期間35年
住宅ローンの毎月支払額は約8.4万円となり、カーローンと合わせると約10.4万円となります。
年収400万円の手取りは約26.5万円なので、約16万円が家計で使えるお金になり、妻の手取り分を含めると(約21万円)約37万円が家族で使える自由なお金となります。
37万円あれば、食費や光熱費・貯金・教育費等に余裕をもって充てることが出来ますね。
ペアローンのパターン
●借入額 4800万円(注文住宅) ●金利1% ●借入期間35年
住宅ローンの毎月支払額は約13.5万円となり、カーローンと合わせると約15.5万円となります。
先程述べた夫の手取りは約26.5万円なので、約11万円が家族で使えるお金となり、妻と合わせると約32万円が家族のお金となります。
この2つを比較すると、たった5万円で夢の注文住宅が手に入るなら我慢できると考えると思います。しかし、本当に怖いのは
【妻が働けなくなった時】
です。
よく考えて下さい。
2人目(子ども)が出来ない保証はありますか?会社を辞めない保証はありますか?
そのような事態が起こると世帯年収はガクッと落ちてしまいます。
ペアローンは、若い世代が夫単独で本来借りれるはずのない金額を、夫婦という制度で年収の底上げをし夢の注文住宅を購入することが出来るというのが最大の特徴です。その為、妻の収入がこれからも安定しているという事が必須になってきます。片方の収入が途切れてしまった場合には返済する事が難しくなるのは至極当然です。
上記の例で例えるなら
妻の収入が無くなった場合は、約11万円で生活する事になるので生活が苦しくなることは目に見えて分かります。
そこからは、お金の悩みが夫婦の悩みとなり、些細な事で喧嘩になり、最終的には離婚をして不動産を売却するしかないといった事態になります。
実際に、築年数の浅い不動産が売りに出されていることはよくあります。
まとめ
ペアローンという商品は、聞こえも良く夢を叶えるための近道に見えますが実際は劇薬にもなります。その為、購入する前にきちんと資金計画をしてくれる担当エージェントを探すか、ご自身で将来設計を立てることが重要になってきます。
(株)住まいるエージェントでは、資金計画からご提案をしているのでお気軽にご相談ください。