倉敷市の土地価格の動向は????

今回は、倉敷市で不動産を売却する方に、倉敷市の市場動向をお話させて頂きます。

①公示地価、基準地価

倉敷市の住宅地は、アベノミクス以降の、この9年間で4.7%下落しています。
また、2021→22年の公示地価については、住宅地は前年比で0.1%のマイナス商業地は0.4%のプラスとなっています。

倉敷市では、中心部から輪をかけるように公示価格が上昇しており、玉島エリア・水島エリア・児島エリアは下落傾向にあります。

なぜ、中心部しか上昇しないのか?

①金利低下によって、買い手の購買力が上がった

簡単に言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。
例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がりました。
月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買うことが出来ます。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。
そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきました。つまり、倉敷市では土地価格が上がりやすい条件にあったわけです。

では、なぜ中心部しか上昇していないのでしょうか?

②農地の宅地化で、郊外の宅地の人気が低下

最も大きな理由は、農地の宅地化です。
実は、この10年で、岡山県内の農地は、約8,800ヘクタール(ha)も減っているのです。
1haで約3,000坪ですので、土地が60坪の戸建てに換算すると、約50万戸分の農地が住宅や、道路、工場、倉庫、ショッピングモールなどに変わっていることになります。

農地の宅地化によって、今ある住宅地の人気が低下

人口については、倉敷駅周辺の中心部だけでなく、かなりの広範囲で人口が増えている地区があり、人口が増えているにも関わらず、土地価格が下がっている地区が、郊外のエリアではあります。

例えば、高梁川沿いの東側の地区(片島町、鶴の浦など)では、人口が500〜1,000人規模で増えている地区がありますが、土地価格は下流に行くほど下落していっています。
これらの地区をGoogle マップの航空地図で確認すると、数十戸単位で新しい住宅地を確認できます。周辺には多くの農地が残っていますので、農地から宅地化され、分譲されたと思います。
その結果、周りの古くからある住宅地を購入する人が減ってしまい、土地価格の下落が進んでしまったわけです。

③中心部の再開発が進んでいる

その一方で、中心部で大きく土地価格、人口ともに増えているのは、大規模なショッピングモールなどの再開発が進んでいるからでしょう。1999年にイオンモール倉敷ができて、2011年にアリオ倉敷、三井アウトレットパークが倉敷駅の北口にできてからは、駅周辺の買い物の利便性が高まり、周辺から移り住む人が増えているのです。
また、岡山市で仕事をしていた人が、通勤にも買い物にも便利な倉敷駅周辺に移り住んでいる人も増えているのでしょう。アリオ倉敷ができて以降の倉敷駅の利用者も、この数年で1割ぐらい増加しています。
このように、中心部に魅力的な商業施設ができている一方で、郊外では農地の宅地化が進んでいるため、土地価格の二極化が進んでしまったわけです。

今後については、次回更新します!
では、お楽しみに!