「3分で分かる」不動産を相続した場合の売却手順

 相続した不動産の売却は、通常の不動産売却と異なり「名義変更(相続登記)」や「税務上の手続き」「相続人同士の話し合い」など、考慮すべきポイントが多岐にわたります。「何から手を付ければいいかわからない」「名義が故人のままでも売れるの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。前回は、これから問題になるであろう不動産の相続問題を書きましたが、今回は相続した不動産をどうやって売却すれば良いのか!?という内容にしています。

では、不動産を相続してから売却・現金化を完了するまでの全体の流れを3つのステップに分けて詳しく解説します。

手順1:相続人の確定と名義変更(相続登記)

不動産を売却する第一歩は、対象の不動産が「誰のものか」を法的に明確にすることから始まります。理由は単純明快ですが、亡くなった方(被相続人)の名義のままでは、売買契約を結んだり、買主へ所有権を移転したりすることができないからです。

①遺言書の有無の確認と相続人の確定

まずは遺言書があるかどうかを探します。遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って手続きを進めます。遺言書がない場合は、亡くなった方の戸籍謄本を出生から死亡まで遡って取得し、法定相続人を全員特定します。

②遺産分割協議と協議書の作成

相続人が複数いる場合は、全員で「不動産を誰が相続するか」「売却したお金をどう分けるか」を話し合います。会話だけでは効力が無い為「遺産分割協議書」を作成する必要があります。相続人どうしで話がまとまれば「遺産分割協議書」を作成します。もちろんですが、相続人全員の署名捺印(実印)が必要となります。

③相続登記(所有権移転登記)の申請

不動産を継ぐ人が決まったら、法務局で名義変更の手続き(相続登記)を行います。 なお、2024年4月1日より相続登記が義務化されました。不動産を取得したと知った日から3年以内に登記を行わないと過料(ペナルティ)の対象となる可能性があるため、早めの対応が必要です。

上記3項目は、ご自身で行う事が難しい場合は司法書士に依頼することも出来ます。

手順2:不動産会社への査定依頼・媒介契約と売却活動

不動産の名義変更の目処が立った段階(または並行して)、売却に向けた具体的な活動をスタートします。

①不動産会社への査定依頼(机上査定・訪問査定)

不動産会社に相談し、物件がいくらで売れそうか査定してもらいます。
机上査定: 過去の取引事例や周辺相場データをもとに、おおよその価格を算出します。
訪問査定: 実際に現地を訪れ、建物の状態、日当たり、境界、道路状況などを細かく確認して正確な価格を提示します。
具体的に売却する場合は、相続人の状況説明や経緯、早く現金化したい等の要望を伝えることが出来る「訪問査定」がおススメです。

②媒介契約の締結

売却を依頼する不動産会社が決まったら、「媒介契約」を結びます。契約形態には以下の3種類があり、売却方針に合わせて選びます。

専属専任媒介契約
1社のみに依頼。依頼先以外の会社や自分で見つけた買主との契約は不可。手厚いサポートと頻繁な報告が特徴。

専任媒介契約
1社のみに依頼。自分で買主を見つけた場合は直接契約可能。

一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる。

※媒介契約の種類や特徴については、別の記事で説明します

③販売活動と内見対応

不動産ポータルサイト(SUUMOなど)への掲載、チラシの折り込みなどを行い、購入希望者を募ります。内見の希望が入った場合は、日程を調整して現地をご案内します。荷物が残っている場合は、事前に整理しておくことで好印象を与えやすくなります。

④条件交渉と売買契約の締結

買主様から購入申込(買付証明書)が届いたら、売却価格や引き渡し時期などの条件を調整します。条件が合意に至れば、宅地建物取引士による重要事項説明を経て、売買契約を締結し、買主様から手付金を受け取ります。

手順3:決済・引き渡しと譲渡所得の確定申告

売買契約を結んだら、最後の引き渡し手続きと売却後の税金対応を行います。

①決済と物件の引き渡し

買主様から売買代金の残額(残代金)を受け取り、所有権移転登記の手続き(司法書士が対応)と同時に鍵を渡して引き渡しを完了します。売主様は、このタイミングで固定資産税の精算や不動産会社への仲介手数料の支払いを行います。

②譲渡所得の確定申告

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行い、所得税・住民税を納める必要があります。

【得する知識!】知っておきたい税金の特別控除・特例

相続不動産の売却では、税金負担を大幅に軽減できる制度があります。

  • 相続空き家の3,000万円特別控除: 昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の戸建て(空き家)を耐震改修または解体して売却する場合、譲渡所得から最高3,000万円が控除される特例です。
  • 取得費加算の特例: 相続税を支払った人が、相続開始の翌日から3年10ヶ月以内に不動産を売却した場合、支払った相続税の一部を取得費(経費)として加算でき、税金を抑えられます。

相続不動産の売却・ご相談は「当社」にお任せください!

相続した不動産の売却は、単なる物件売買にとどまらず、「名義変更(相続登記)」「相続人同士の調整」「空き家の管理・荷物処分」「税金の特例活用」など、専門的な判断が求められる場面が数多くあります。

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